ライトノベリスト、ヘビーノベリスト

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ハルヒSS「ここにある信頼」5


事件から一夜明けて、俺はベッドの上にいた。天井は白い。薬品の匂いがする。
あの後、病院に行ったんだっけ。
治療を施した脇腹が痛んだ。
俺の心にはポッカリと穴が空いたようだった。生きてはいたが死んでいた。
案外、朝倉の目的は達成されていたのかもしれない。
となりを見るとハルヒが寝ていた。あれからまだ眠り続けていたようだ。よく寝る性質のせいなのか長門が強く眠らせたせいかは知らない。
古泉が病室のドアを開けて入ってくる。
なんだお前か。
「おや、目が覚めましたか。というか、あなたは起きていたのか寝ていたのかよくわからない様子でしたよ」
「そんなだったのか。昨日の俺は」
「覚えていませんか、無理もありませんね。長門さんが消えてしまいましたから。朝比奈さんはそちらで寝ていらっしゃいますよ」
見ると朝比奈さんはハルヒの向こう側のベッドで寝ていた。長門が苦手でも、やはりショックは大きいようだ。
「お前は平気なのかよ」
「こうみえても平気ではないですよ、ただあなたよりはこういう事態に慣れていますから」
古泉はどこか悲しそうにそう話す。古泉がそんな私的なことを話す時点で何らかの影響があったらしいことはわかった。深くは突っ込まない。
さて、行くか。
「ハルヒと朝比奈さんを頼んだ」
起き上がろうとしたら激痛が走った。よく昨日立っていられたな俺。滅茶苦茶痛いぞ。
「まだ動くべきじゃないですよ。どこへ行くつもりです?」
「言わずもがなだ」
さすがに走ることはできないな。
俺は歩いて病院から出た。



向かうは北高、部室塔。
走りたい、しかし走れない。もどかしい。

しばらく歩いてようやく到着。
息を吸い込む。ゆっくりと吐き出す。
俺はわずかな希望を持ってドアを開けた。

いない。


「はぁ、やっぱりいないか」

次だ。



次に図書館に向かう。
SOS団の活動をサボって長門と2人で来たことが懐かしい。
俺は普通のフロアだけでなくバックナンバーの書庫にまで入った。
しかしそこでも見かけることはできなかった。


そして、最後に向かう。長門のマンションへ。
どうやら倒壊はしてないようだな。
インターホンを押した。
返事はない。
俺は通り過ぎる人に紛れて中に入りエレベーターで上がる。なんだかストーカーみたいだな俺。
ドアはあった。開いているかはわからないが、ドアを開けてみる。

開いた。
「長門、いるか」

返事はない。

まあいても返事するかは怪しいけどな。
俺は恐る恐る中に入った。
やはり人の気配はない。

殺風景な部屋に入る。

なにかある。


机の上に大事そうに置かれてあったのは、クマのぬいぐるみだった。


長門が欲しがったUFOキャッチャーの景品だ。

俺はぬいぐるみに触れた。
いまはもういない彼女を思いだす。
「お前……ひとりぼっちか……」
俺はぬいぐるみの前に座りぬいぐるみを見つめる。
涙が止まらなかった。


誰かに頭を撫でられていように感じる。
はっとして後ろを見た。

「長…門……」
彼女の漆黒の瞳が俺を見つめる。
「どうして、泣いているの?」
それには答えられなかった。しかし俺は長門を抱きしめていた。俺はまだ泣いてはいたが、涙の含む意味は違った。
「お前……死んだもんだとばっかり……」
「私は必要だと判断され、再構成された。同期が完了したことにより、現時点の私は昨日までの私として存在する」
良かった。本当に良かった。俺はそう繰り返していた。

しばらくして、ふいに俺は恥ずかしくなった。長門から離れた。
「俺の為にこんなことになっちまって、なんて言えばいいのか…、お前の助けが必要だった。強がってすまなかった。」
「気にしなくていい、私が勝手にしたこと」
「それと、助けてくれてありがとうな」
「どういたしまして」
俺には長門が微笑んだように見えた。


「まだすべきことがある。あなたにしか出来ないこと」
「俺にしかできないこと?」
「涼宮ハルヒは朝倉涼子の能力を目撃した。それは彼女の精神に悪影響を及ぼす可能性が高い」
確かにハルヒは宇宙人的超自然的な力を見ている。
「彼女の記憶を操作することが1つの方法」
「それはダメだ!」
「あなたの了解は得られないだろうと思っていた。涼宮ハルヒに記憶操作をすることは危険でもある。よって別の手段をとる」
別の手段?

「先ほど言った通りあなたの力が必要」
何だってやるぞ。任せろ。
「昨日あったことを夢オチにする」
「……」
言葉を失った。まさか長門から夢オチなどという単語を聞くとは思わなかったな。
「あ~、本気か?」
コクリと頷く。どうやら本気らしい。
「あなたの説得力と団員の口裏合わせが必要」
どうやらこれからが大変なようだ。
「やれやれだ」
しかしそう呟く俺の表情が嬉しそうなのは気のせいではなかった。




fin







おまけ



「ところで長門、いつから部屋にいたんだ?」
なんかぴくっとした。いまぴくっとしたぞ長門。
「…………質問の意図が不明」
「いや、つまりだ。俺が部屋に入ってきて泣いてるのを全部ずっと見ていた……ってことはないよな~」

「……………………………………ない」

長門……なんだその長い間は。そしてどうして視線をそらす。
まさか俺をもてあそんだ!?

「あなたは素敵だった」
「それ、ごまかせてないぞ」

「欲しいもの…………ある?」
「もので釣ろうとしても無駄だ!」

「時間がない。涼宮ハルヒが目覚める」
「お前が眠らせたんだからお前が起こすタイミングを決められると思うんだが……」

長門は走った。ていうか逃げた。
俺も長門を追う。
「やれやれだ」


終わり。
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テーマ:涼宮ハルヒss - ジャンル:小説・文学

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